ソフトバンクグループのやさしい企業分析!④ ~ソフトバンクビジョンファンドを徹底解剖!~



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ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先の「WeWork」ってどんな会社なの?

本記事は、第9回に渡って掲載される「ソフトバンクグループの易しい企業分析!」シリーズの第4回です。

第4回では、第3回で触れたソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先で

2019年に大変話題となった「WeWork」という企業についての概要と、

「WeWork」が上場申請をするまでの華々しいこれまでを解説していきます。

 

この記事を読むことで、

  • 「WeWork」という企業の概要
  • 「WeWork」という企業がこれまでどのようにして規模を拡大してきたか
  • 非上場企業の企業価値の決まり方の概要

を知ることができます。

 

「WeWork」はソフトバンクグループやソフトバンク・ビジョン・ファンドを分析する上で避けては通れない非常に重要な企業なので、ここで触れておくことにしましょう。

今回はあまり複雑な内容は出てきません。

肩の力を抜いて、楽しむことに重点を置いて読み進めていってください。

 

この記事では、会社名などを下記のように表現します。

  • ソフトバンクグループ株式会社:SBG(ソフトバンクグループ)
  • ソフトバンク株式会社:SBKK(ソフトバンクかぶしきかいしゃ)
  • ソフトバンク・ビジョン・ファンド:SVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)

 

WeWorkについて知ろう

WeWork

WeWorkとは

WeWorkとは、アメリカのニューヨークに本社を置く、起業家向けのシェアオフィスを提供する非上場企業です。

29カ国111都市に528カ所以上の物理的な拠点を有しており、日本には2018年の初めに東京に拠点を開設しました。

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上の写真はWeWorkの拠点の写真だよ。

WeWorkのこれまで

WeWorkはこれまで、大規模な資金調達を繰り返すことで規模を拡大してきました。

  • 2014年には3億5,500万ドルを調達し、企業価値は50億ドルに。
  • 2015年には9億6900万ドルを調達し、企業価値は100億ドルに。
  • 2016年には4億3000万ドルを調達し、企業価値は160億ドルに。
  • 2017年3月には3億ドルを調達。
  • 2017年6月には7億6000万ドルを調達し、企業価値は200億ドルに。
  • 2019年には20億ドルを調達し、企業価値は470億ドルに。

このようにWeWorkは毎年大規模な資金調達を行うとともに企業価値をどんどんつり上げていき、2019年時点での企業価値は「470億ドル(約5兆1,000億円)」とも言われていました。



WeWorkのような非上場企業の企業価値はどう決まる?

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WeWorkの企業価値について話してきましたが、そもそも会社の企業価値はどのように決まるものなのでしょうか?

本章では、上場企業と非上場企業の価値の決まり方をみていきます。

上場企業の価値の決まり方

企業の価値(上場企業でいういわゆる時価総額)は、株価に発行済株式総数をかけることで算出されます。

上場企業の場合、マーケットの需給にしたがって株価は常に変動しているため時価総額もそれに伴って常に変動しています。

上場とは
いつでも誰でも証券取引所でその会社の株式を自由に売買できるようになることです。

しかし、非上場企業の株式は文字通り上場されていないため、いつでも誰でも証券取引所でその会社の株式を自由に売買することはできません。

つまり、非上場企業の企業価値は公になっていないということです。

では、非上場企業の企業価値はどのように決まるのでしょうか?

非上場企業の価値は物々交換と同じ?

非上場企業の企業価値というのは最終的には当事者間の合意、つまり物々交換のような形で決まります。

豆知識
非上場企業の企業価値というのは公認会計士などが様々な方法により算出することは可能ですが、算出する人によって企業価値が異なるということが往々にしてあるため、どうしても物々交換のような形になりがちです。

例えば、A社のオーナー社長XさんはA社の企業価値を1億円と評価しています。

発行済株式総数が1万株あるとすると、株価は1万円です。

そこに投資家Yさんが現れ、「確かにA社の企業価値は1億円だ」ということで合意し、その企業価値に基づいて投資をすることにしたとします。

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便宜的に、第三者割当増資ではなくXさんとの株式譲渡と仮定するよ。

 

すると、A社の企業価値はXさんとYさんの間では1億円ということになります。

 

第三者割当増資とは
第三者に新株を引き受ける権利を付与して新株を引き受けさせる増資のことで、基本的に新株を発行することになるため発行済株式総数は増加します。

しかしそこに投資家Zさんが現れ、「A社の企業価値は2億円はあるよ」と言い、その企業価値に基づいて投資をすることにしたとします。

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ここも便宜的に、第三者割当増資ではなくXさんとの株式譲渡と仮定するよ。

それにXさんとYさんが合意をすると、A社の企業価値はXさんとYさんとZさんの間では2億円ということになります。

つまり、このケースでは当事者であるXさん、Yさん、Zさん間で取引を行なっているため、その3名の合意によって企業価値が決定します。

上場企業の企業価値(いわゆる時価総額)も厳密には当事者間の合意ですが、

ここでいう非上場企業の企業価値が当事者間の合意(いわゆる物々交換)というのは、

極めて少人数でいかに根拠が薄かったとしても当事者間では有効であるということです。

しかしこれは、上場した後もこの企業価値になるかどうかとはまったく別の話です。

上場後の企業価値の決まり方

A社が上場した結果株式市場の評価が「いやいや、A社の企業価値は10億円だよ」ということになれば、

発行済株式総数が上場前と変わらず1万株の場合には株価は10万円に上昇することになります。

逆に「いやいや、A社の企業価値は5,000万円だよ」ということになれば、

発行済株式総数が上場前と変わらず1万株の場合には株価は5,000円に下落することになります。



WeWorkがついに上場申請へ

オフィス パソコン

話をWeWorkに戻します。

WeWorkも非上場企業であるため、前述した非上場企業の株価の決定方法に基づいて企業価値が決定されてきました。

2014年には50億ドル(約5,500億円)だったWeWorkの企業価値は2019年には470億ドル(約5兆1,000億円)にも膨らんでおり、

これまでSBGとSVFはWeWorkに対して合わせて100億ドル(約1兆1,000億円)近くを出資しています。

 

そして2019年8月14日、約5兆円にものぼる企業価値と言われ注目を浴びてきたWeWorkがついにアメリカの証券取引所(NASDAQ)へ上場申請をすることとなります。

大型のIPO案件ということで、世界を大きく沸かせました。

why
IPOは「Initial Public Offering」の略で、新規公開株、つまりこれから上場する会社の株のことだよ。

上場するメリットとは?

上場には企業の地名度や信用度を向上させたり、資金調達手段が多様化することにより資金調達が格段にしやすくなるというメリットがあります。

 

上場をする際には各証券取引所が定めた上場基準や厳格な審査を通過する必要があり、目論見書を提出することになります。

目論見書とは
企業の概要や募集・売出をする株式の条件などが記載され、投資家が投資判断をする為に交付される書類です。

企業が上場をする際(IPO)においても上場する企業・株式の情報が記載された目論見書が交付されます。

 

非上場企業には情報開示義務はありませんが上場企業には情報開示が求められるため、新規上場をする企業の内部情報はこの目論見書によって初めて公になります。

why
目論見書は証券会社に株式の口座があれば、誰でも見ることができるよ!



まとめ

いかがでしたでしょうか。

第4回では、SBGとSVFの主要投資先である「WeWork」という企業の概要と、これまでの凄まじい資金調達劇、非上場企業の企業価値の決まり方の概要をやさしく解説してきました。

 

前述の通り2019年8月に「WeWork」はNASDAQへ待望の上場申請をすることになったのですが、

これまで世界中の注目を集め華々しい拡大を行ってきた「WeWork」はここから一瞬にして地獄へと転落していくことになります。

 

第5回では、「WeWork」が地獄へと転落していくことになった原因や「WeWork」の現状、

それを受けてのSBGの対応やSBGへの世間からの評価の変化などをやさしく解説していきます。

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